melancholia//サイトの更新履歴兼、その時々のプレイゲーム日記、二次文章など。
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2011/01/01 (Sat) 謹賀新年



あけましておめでとうございます!
今年もよろしくお付き合い頂けるととてもうれしいです、みなさんにとって良い一年になりますように!


というわけで。
実はクリスマスの時もちょろっと短文を書こうかなと考えてはいたんですが結局別の文章で手一杯だった為に書けなくて。
なので。
年始こそは!と思い、ちょっと頑張ってみました。
まああの、内容はまた他愛のないものなのですが、みなさんへの感謝とかご挨拶とかそういったものに代えられたらなあ、と。
七代千馗と白黒です。
よろしければ追記からご覧になって下さいませ。




ご丁寧に年末のご挨拶なども頂いておりますので、そのお返事も次の記事で必ずさせて頂きます!
ありがとうございました、ものすごくうれしいです!









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『ほしいもの』






鴉羽神社、横屋の一室にて。
呪言花札のあるじである七代千馗は、低く唸りながらふたりの番人と対峙していた。
双方共に何故か正座で、その間に在るのはふたつの小さな封筒である。
おもてにはどちらも七代千馗殿、との文字が書かれていたが、その筆跡を見ればわざわざ訊ねずとも彼らのうちどちらがどれを書いたのかということがよく判る。

「……………………あのさ、」

己の眼前に置かれたふたつの封筒へ苦々しい視線を落としつつ、七代はひとつ咳払いをした。

「念の為に確認してもいいかな…………、これ、お年玉じゃ、ないよな?」

特定の返答のみしか許さぬとでもいうようなやや弾圧的なあるじの問いに、しかしふたりはけろりと不思議そうな顔をして。そうして、ふたり同時に首を傾けた。
内在する性質はかなり違っているというのに、ふと見せるこういった仕草は時々眼を瞠るほどとてもよく似ている。だから、もし彼らのことを全く知らぬものが見れば兄妹であると思ってしまうのかも知れない。実際は、どちらかといえばきょうだいというよりも、双生児に近い存在なのだが。
ふたりの仕草を眺めながら七代がそう考えていると、彼らは首を傾げたまま口々に応えた。

「何を言う、おとしだまに決まっておろうが。わざわざ入れる為のぽちぶくろ、とやらも用意したのじゃからの」
「七代、どうか遠慮をせずに受け取ってほしい」

渋面のあるじに対し、応える彼らの口調はとても呑気である。
七代は一層低く唸りつつ、ぱしりと己の膝を叩いた。

「だ、か、らっ、歳上っていうのをなんでここにだけ持ってきちゃうわけ?」

あるじの声音に、白と雉明が揃ってぱちりと驚いたように眼を瞬かせる。

「実年齢はこの際どうでもいいんだよ、外見はどう見たって小学生女子と男子高校生なんだからさ! そんなふたりから男子高校生の俺がお年玉もらうってどうなの? どう考えてもおかしいだろ? な? そんなところだけ律儀に自分の歳を思い出さなくったっていいじゃない」

一息にそう言い募られた白と雉明はやや圧されたようだったのだが、それでも負けじと言葉を投げ返した。

「そうはいかない、おれたちは年長としてきみに出来る限りのことを、」
「そうじゃ、誰が小学生女子じゃ! 全く失敬な」

投げ返されたそれぞれの言葉もそこそこに、七代は大きく大きく溜息をこぼした。
全く、どうしたものかと思う。
白と雉明はひとではなく、ひとでないが故にとても純粋な心根を持っていて。それは、普段は概ね微笑ましかったり可愛らしいものとして七代の眼には映っているのだが、その反面、同じ純粋さにこうして困惑させられてしまうこともしばしばあるのだ。
七代とて、このふたりが自分のことを思って(否、やや思い過ぎているところもあるのだが)していることなのだというのはようく判っている。判っては、いるのだが。
結局のところ七代の方も、彼らの中に在る好意を重々理解しているが故に、彼らを思うが故に、どんな風に言って聞かせればいいのかよく判らないのである。

「…………全くさ……、あれだろ? 澁川さんとこで何か話を廻してもらったんだろ? わざわざそんなことするなんて必要ないのにさ」

眼前に置かれた小さな袋をそっと手に取ってみる。
年末であっても別段関係なく七代はかの店へ割合頻繁に出入りしていたというのに、店主澁川源伍の口から一粒たりともそんな話がこぼれ落ちなかったところを見ると、澁川が妙な気を利かせていたのか、或いは彼ら自身が口止めをしたのか。
七代の脳裏に、ドッグタグを訪れたふたりが澁川へ依頼の仕事を廻してくれるようにと頼む姿が再生される。そうして、それが他ならぬ己の為なのだと思うと、七代は何だか苦しいような何とも言えぬ不思議な心地に襲われてしまった。

「かれは、快く依頼を紹介してくれた」

七代の正面で、雉明が仄かに微笑む。

「仕事をしたいのだ、と言ったら……かれはおれのこの黒い手袋を見て、そして頷いてくれたんだ。封札師なら、と」

雉明の笑みが少しだけ深くなった。

「おれも……きみと同じ、封札師だ。おれにも、出来ることは、ある。だから……きみは何も心配せずに、ただ、それを受け取ってくれればいい。おれたちは、とてもたくさんのものをくれたきみに、たとえささやかではあっても、せめて何か恩返しをしたいと……そう考えているだけだから」

そうだな、白、と雉明が促すと、白は短く鼻を鳴らしながら視線を逸らす。

「ふん…………全く、この男の物言いは相変わらず大袈裟過ぎるがのう。それでもまあ、とりあえず、概ねはその通りじゃ。何を心配しているのかは知らぬが、そなたの番人はヤワではないぞ? あのくらいは朝飯まえじゃ。だから、つべこべ言わずに早う受け取るがよい、歳若いものが妙な遠慮などするものではないわ」

そう言ってふんぞり返る白に、七代は苦笑した。

「…………何だよ、急におばあちゃんみたいなこと言って」
「お、おばあちゃんとはなんじゃ!」
「、しかし白、年齢的に考えるなら、」
「ええい、そなたは口を挟むなッ、余計にややこしゅうなる!」
「こどもって言っても怒るし、おばあちゃんって言っても怒るもんなあ」
「あまりに両極端過ぎるであろう!」
「判った判ったごめんごめん、白もおんなのこだもんな」

全く相変わらずな彼らの様子へ一頻り笑い。そして七代は、ありがとう、と言って差し出されていた小さな封筒をふたつ、受け取った。いざ手にしてみるとそれらは、とても重いようにも、温かいようにも感じられる。
その所作を何だかとても満足そうに見遣る彼らへ、七代は丁寧に頭を下げた。

「とにかく、これは、有難う。有り難く受け取っておくことにする」

そして、改めて白と雉明の方へ向き直り、彼らの顔をじっと見詰めながら問い掛ける。

「で………、当然ながらというか残念ながらというか、俺の方は特に何も用意してないんだけど…………、その代わりに俺に何か、して欲しいこととか、あるかな。もし何かあったら言って?それこそ遠慮なく。これの、お礼としてさ」

七代の言葉はふたりにとっては思いがけないものだったようで。白と雉明は揃って、驚いたように眼を見開いた。
 
「、いや、七代……、先刻も言った通り、これがお礼だから、」
「お礼のお礼をしたって別に構わないでしょ」
「しかし、」
「いいからいいから、雉明もよく考えといて、次訊くから。白はどう、なんかある? 思いついた?」

尚も納得いかない様子の雉明を何とか押さえて訊ねると。
突然振られた白はびくりと肩を震わせたが、広げた扇子でもって俯いた顔を隠しながら、やや躊躇いがちに、それでもぽつりと呟いた。

「わ、妾……、妾、は……………………、…………そ、そなたと一緒に、はんばぁがぁ、を………………、」

語尾の方は細く薄れて、消え入るように途切れてしまう。
それを聞いた七代は、ああ、とひとり納得した。
彼女はいわゆるファストフードが大好きでそういった店へ頻繁に出入りしていることも七代はよく知っているし、その為の小遣いも毎日手渡しているのだが、七代自身はあまりそういう類のものを食べない方だったので、共に店へ赴いたことなどなかったのだ。
もしかしたら彼女は以前からいつかは共に、と考えていたのだろうか。全く、歯に衣着せぬ物言いをするかと思えば、こんな小さな願いさえ口に出さずに胸へ仕舞ってしまうとは。
七代は、笑って頷いた。

「一緒にファストフード店でデートね、了解。お安いご用ですよ」
「、だ、誰がでーとじゃ、調子に乗りおって!」
「ああ、俺はあんまり行かないから流暢に注文出来ないんだけどさ、そのへんは任せていいんだろ? 白センセイ」
「、うっ、…………し、仕方のないやつじゃな……注文も満足に出来ぬのか、そなたは……やれやれ、妾が教えてやるから、ようく見ておくがよいぞ」
「よろしく」

白を鮮やかに扱った七代は、笑みをそのまま今度は雉明の方へ向けた。

「で、雉明は? なんかある? 俺にして欲しいこと」
「、……………………おれ、は」

言い掛けられた雉明は、真剣な表情の上にほんの少しだけ戸惑いを重ねて、一拍の間沈黙したのだが。やがて先刻の白と同じく僅かに俯いたまま、密やかな声音で己の望みを吐き落とした。

「おれ、は、……………………、きみと共に居られるなら、それでいい。それ以上にのぞむことなど、なにもない。きみと、そして白……きみたちと共に居ることこそが、おれの、のぞみだ」

ゆるりと持ち上がった雉明の眼差が七代の黒い眼を捉える。
柔らかでいてそれでいてとても強いような雉明の表情を見詰め返しながら、七代は思い出した。そういえばこの男は己の望むものを口にするのがとても苦手なのだった、と。本当に己が望んでいるのは一体何なのか、自分は何を欲しているのか、雉明が自身のそれを知ったのはつい先日のことなのである。

「…………しかし、こんなに漠然としたねがいでは、きっときみを困らせてしまうな、すまない、もう少し考えてみるから、」

雉明はそう言って首を振り掛けたのだが。隣に座っている白が手にした扇子で、項垂れる雉明の頭をぽんとはたいた。

「なんじゃ、何を難しく考えておる? それなら、そなたも共に来ればいいだけのことではないか。違うのかえ?」
「、……白、」
「どうせ、そなたもうまく注文出来ぬくちであろう? フフ、妾が見本を見せてやるからようく覚えておくのじゃぞ……全く仕方のないやつらじゃのう、そなたらは」

簡単にそう言い切った白はころころと可笑しそうに笑い、笑いながら七代へ首を傾けてみせる。

「のう、千馗。でーと、というのは三人でも構わぬのじゃろう?」

全く寛容で素晴らしいその提案に、七代も笑って頷いた。

「…………まあ、この際一般論なんかはどうでもいいし、白がそれでいいなら俺には異論なんてひとつもないよ」
「七代、」
「よし、決まりじゃ! 楽しみじゃのう」
「……………………、ありがとう…………、そうだな、本当に……たのしみだ」



無邪気に笑う白と、その隣で柔らかく表情を崩す雉明。
七代は、ひどくやさしい気持ちでもってそれらを眺めた。

彼らがこうして幸福そうに笑いながら己の傍に居るのであれば、あるじとてそれ以上に望むものなどそうそうありはしないのだ。














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そう言いつつ、今の雉明であればいちるちゃんとか伊佐地センセイとか羽鳥親子もきっと大事な存在、に入ってるんだろうなとも思いつつ。

このあと、三人とも羽鳥親子からそれぞれお年玉もらって、ウワア!って驚いてると思います。
あげた方も多分、あげられる存在が出来たことにニコニコしてる。




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