melancholia//サイトの更新履歴兼、その時々のプレイゲーム日記、二次文章など。
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2009/11/25 (Wed) P3P小話 / 二年F組男子


こういうのって何、ボーイズトークっていうの?なんかうすら寒い気がしますが。
しかし中身も大層うすら寒いですよ。
宮本と友近と伊織と、主人公の、またほんとにどうでもいい話。

主人公がモッテモテの話です。

うそではない。うそではないからうすら寒い。
うすら寒さに耐えられる!という素晴らしいつわものの方はどうぞ、追記から。

コミュの展開に関するねたばれはあるかもです。


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『すきなひと』






おれ、ほもかもしれねえ



最近足を故障したらしく部活を休んでいる宮本一志を誘い、伊織順平と友近健二、網縞夕は放課後揃って巌戸台商店街二階の定食屋わかつに来たのだが。(宮本の要望につき)
深刻そうな表情でぽつりとこぼした宮本の一言に、一同の挙動が一斉に停止した。

「………………………………、え、?」

手から落ちそうになった割り箸を掴み直しながら、順平は訊き返した。

「ごめ、ちょ、もう一回頼む。
 俺っち疲れてんのかなーなんかホモとか聞こえちったんですけどあはははは」
「合ってんだけど。ホモで」

訊き返した甲斐も無く。
真顔の宮本に駄目押しされて、順平は結局割り箸を床に落としてしまった。
その床の方を見詰めながらしかしどうするでもなく、夕はひとり、硬い空気の中でさっさと食事を再開した。
ロースかつとキャベツの千切りが驚異的な速度で薄い唇に吸い込まれていく。

「ちょ、っと、え、ええ?
 み、宮本、うそ、まじ?うそだろ?な?
 そ、そんなマジな顔しちゃって冗談やめろよなあ」

明るく言ってみても、宮本の表情は緩まない。
そもそも宮本が冗談を言う類の男ではない事を順平とてよく知っているのだが。
それでも順平にとってはとても、疑わずにはおれない発言である。
宮本の隣に座っている友近は順平よりも多少冷静なようで、手をつけていないレタスサラダを掻きまわしながら嘆息した。

「何言っちゃってんの宮本。お前、岳羽さんは?」

順平は本人からそうだと直接聞いた事は無いのだが、友近健二曰く、宮本は同じ組である岳羽ゆかりを気に入っている、らしい。
網縞夕が転入してきた時、寮の関係でゆかりと夕が一緒に登校してきた事が少し噂になったのだが、普段そういった噂など全く素知らぬ顔の宮本が珍しく気にしていたという。網縞夕とはどういう男なのだろうと。

「、ん」

友近に言われ、宮本は眉根を寄せた。

「つってもよ…………
 そりゃ岳羽、さん、はカワイイとは思うけど…………
 彼女が俺なんか相手にするわけねえしさ、元々なんも望んでねえっていうか考えた事ねえっていうか」
「あらら、案外こういう事にゃ消極的なのな、お前って」
「ばーか、こういうのは身の程を知る、ってんだ、友近。
 大事な事なんだぞ」

宮本の言葉に友近は苦い顔をした。
わかってんだよ、と、もごもごぼやいている。

「けど宮本、ゆかりッチを気に入ってる事には変わりねえんだろ?
 じゃ、なんでビックリカミングアウトなわけ?」

少し冷めた味噌汁を具ごと一気に飲み干して。一息ついてから宮本が口を開く。

「だからよ…………、それなんだよな」
「どれ」
「なんにつけても、彼女より先にそいつの顔が出てくんだよ、俺」

そいつ、と指差されたのは。
ロースかつ定食をきれいに食べ終え、新しくかつとじ定食を注文している網縞夕である。

「…………あと、食べ終わった後に生チョコケーキを」
「重ッ!」

友近と順平は聞いただけでも胸焼けする思いだが、当の夕はいつもの無表情で。きょとんと一同を見回している。
宮本だけがふと表情を崩して笑った。

「お前の食いっぷりはいつ見ても気持ちいいなあ」
「き、気持ちいいか、コレ?そんな域飛び越えてね?」
「そうか?やっぱ俺ら身体が資本だかんな、とにかく食わねえと話になんねえし。
 俺もお前を見習ってもっと食いてえけど……んー、なかなかお前みたいにはいかねえわ」
「無理するな」
「おう、無理すんのもなんか違うもんな。ありがとな網縞」

そう言って笑う宮本の表情は、確かに以前とは何処かが違って見えた。
やわらかいなと順平は思う。
以前の宮本は頑なに己を追い込んでいってしまうようなところが感じられたものだが、近頃は肩から余計な力が抜けたような。
そんな感じがするのだ。

「そうなんだよな…………
 何かっていうと眼が網縞を追ってんだよな。こいつの声がしたら振り返っちまうしよ。
 岳羽さんは二の次なんだよ。
 家なんかでもさ、ああこういう時あいつなら何て言うかなとか考えちまうんだよな…………
 前よりもすげえ部活出るの楽しいし。それって確実に網縞がいるからなんだよ」

しみじみと。
運ばれたばかりのかつとじ定食を口に運ぶ夕を眺めながら、そう呟く宮本の声音に冗談の響きは依然として無い。
何という熱烈な愛の告白なのだろう。
背筋に寒いものを感じつつ、順平が言うべき言葉を探していると。宮本の隣で頬杖をついている友近が唸った。

「………………………………そんなら俺も、もしかしたらホモかもしんねえ」
「はあァ!?」

もう一度割り箸を落とし、順平は立ち上がった。
まばらに居る客と店員の視線を独り占めしているのだが、順平はそんな瑣末な事実には気付いてもいない。

「お、おま……、いくらなんでも友近がそりゃねえだろうがよ!
 口を開けば歳上だのおねえさんだの言ってたオメーがホモって!」

順平はそう言ってしまったものの、脳の隅の方で己の発言をほんの少し後悔していた。
友近健二が倫理教諭である叶エミリの左遷に関与しているらしいという噂を耳にしていたからだ。
友近がかの教諭に熱を上げていたのは順平とて知っている。
けれどまさか進展するような関係では無いだろうと一笑に付していたのだが、その時期から友近は確かに沈んでいたのである。
ただ単に思いを寄せていた女性が離れてしまった事を憂いているのだろうとは思うが、本人に確認していないのでもしやという可能性も捨て切れない。
だとすれば今の友近にそういった話をするのは酷かも知れないのだ。

「……そりゃ勿論さ、俺が歳上好きなのは変わんないよ?
 こないだだって女子大生のおねえさま方と合コン行ったさ」
「な、なんだと!」
「順平は歳上好きじゃねえだろが。
 けどさ、網縞が女子大生と話したりしてんの見ると、コイツに似合うのはこういう人じゃねえ、とか
 色々思っちゃうんだよな…………
 そんで折角行ったのに自分の事に集中できねえでさ」
「てか夕も行ったんかよ!誘えよ!!」

御飯をお代わりしていた夕は、ごめん、と無表情に謝った。

「行きたかったのか、知らなかった」
「普通行きたいだろ!?」

順平の大音量の傍らで友近は妙に思い詰めた溜息を落としていた。

「この人全然俺の事理解してくれねえなーとかさ。
 網縞ならそんな余計な事言わねえのに、とかさ。
 事もあろうに、網縞と比べちゃうんだよなあ………………なんでだろ、俺。
 網縞と居る方が、よっぽど楽しいんだ。
 こりゃ、カノジョなんてまだまだだな」

苦笑交じりに笑う。
その友近を見、頬に米粒をつけたままの夕がゆるりと微笑んだ。

綻ぶような、仄かな淡い笑み。

順平は、その微笑によって己の思考が固まっていくのを感じていた。

何なのだろう。今の笑みは。
テンションは常に低く、眠そうで、いつもほぼ無表情な網縞夕が、まさかこんな風に笑うとは。
寮でだって、タルタロスでだって、順平は未だ夕のこんな表情を眼にした事が無いのである。

なんで、俺には笑わねえんだ

途端、そう思ってしまった。
腹が立つと、思ってしまった。

これは

「友近もそうなんか…………気の毒だな、岩崎は。
 まあしゃあねえか……」
「あ?理緒が何?」
「なんでもね。
 てか網縞、ほっぺたにコメついてんぞ?」

宮本に言われて夕は自分の頬に指を伸ばしかけたのだが、それよりも早く、順平が米粒を拭い去った。
夕は少し驚いている。

「…………みっ、ともなくて、見てられなかったんだよ…………
 ていうか夕、お前、そんだけ食ってよく金続くよな」

誤魔化すように言えば、逆に友近と宮本から驚かれた。

「食う為に夜、シャガールでバイトしてんだろ?
 評判いいし続いてるから最近時給上がったって……………え、順平、知らねえの?」

どうやら友近健二、宮本一志と伊織順平の持つ網縞夕に対する情報量には残念ながらかなりの偏りがあるようで。

「しらねーよ!」

怒りを爆発させながら順平は、宮本の口にしたホモという言葉がしばらく脳裏から離れなかった。
















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これもまた願望です。

友近と宮本の方が主人公との密度高いのは当然コミュがあるからです。
伊織とはコミュないから。な。しゃあないぜ。
(あったらほんと、良かったのにと思いつつ魔術師コミュが友近じゃなくなるのはいやだな)

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