melancholia//サイトの更新履歴兼、その時々のプレイゲーム日記、二次文章など。
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2010/04/23 (Fri) 鬼祓師小話 / 壇と七代


壇の、七代千馗好きっぷりがすごいので、それを書こうとしたんですけども、
ネタらしいネタも無いままに無理矢理書いたら中身がスカスカです。
欲だけあってもうまくいかないですよね。

それでも宜しければ追記からです。



それはそうとコメントで教えて頂いたんですが、一話からクエスト出来るんですか。
今三話なんですけども。
なんですけども……
教官からメール来たけどいつやねんって思ってましたよ。
校内でアイテム拾って食堂で売り払って資金を溜めていた七代千馗の苦労は一体。
いつまでもパチンコと竹刀だし。
えー、有難う御座います……これから頑張るしかありません。

ああ、それからもうひとつ衝撃の事実があったんでした。

ドロップアイテムが自然に入手出来ないのを完全に失念してた。

アイテム落とさな過ぎる!って思ってましたよ!忘れてたよ!
九龍やってたのにこのミスはなんですか!
ああもう木刀で腹を切りたい。




壇主壇小話 『理由』




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『理由』






昼休み。

既に十月も下旬に差し掛かり、皮膚に触れる空気の冷たさも増してきたので、鴉乃杜学園の屋上にはあまり人影は無い。
それは、壇燈治にとっては都合のいい事である。



コンクリートに腰を下ろしてぼんやりと灰色の空模様を眺めていると。
錆びた金属の擦れる音が耳に刺さり、屋上の扉が開いた。
己のような物好きが他にも居たのかと、壇は視線を振り向かせながら、今まで独り占めしていた静寂が破られた事に対しやや残念に感じていたのだが、其処に立っていたのは壇のよく知る顔であった。

「…………、七代…………」

少し前に来たばかりの転入生、七代千馗。
改めて思えばこの男と知り合ったのは本当にほんの数日前の事なのに、この男を何の違和感も無く親しい友人として認識している己を、壇は時折自覚して可笑しくなる。
果たして壇燈治という人間はそんなに友好的に出来ていたのだろうかと。
かの生徒会長の言う通り、筋の通らない事を自分から探し歩いては拳を振るい、理由を正当化し、いつも暴れていた。
その所為で周囲は自然と壇を敬遠し、近付くものもほとんどいない。
七代千馗に対しても、壇は顔を合わせた当初は挑発の言葉を浴びせたりもした。
けれどこの男は。
やたらに腹を立てて乗ってくるでも無く、怯えるでも無く、無視をして流すのでも無く。
壇を嫌がらず怖がりもせず、正面から受け止めた。
不可思議な力によって救われた事にも感謝はしているが、壇は、己をぶつけて尚、壇を己の範囲から払わず簡単に留め置いた七代に、何処かが麻痺するような強い衝撃を受けたのだった。
その衝撃の残滓は七代千馗と接する時には、しばしば壇の中に火花を起こす。

壇にそれほどの衝撃を与えた男、七代は、眼をひどく眇めながら力尽きるような様子で壇の隣に腰を下ろした。

「お…………、おい?七代?
 こんなとこまで何しに来たんだよ、あの白いのもさっきまでいたが、もうどっかに行っちまったぞ?」

眼を眇めている所為で妙に機嫌が良くないように見えるのだが、実際不機嫌な七代、というものを壇はまだ見た事が無い。
必ずしも温かい言葉ばかりを吐く男では無いが、個人的な感情によって人への当たりを変える事も無かった。
結果的に、他のものからは胸中の読みづらい男なのだが。
七代は表情をそのままに深く嘆息を吐き出しながら、食パンのかけらに噛みついた。

「別に白に用があったんじゃねえよ……用があるならすぐに伝わると思うし。
 俺は、単に、昼飯を食べに来ただけだ…………、
 ああ、パンはやっぱり焼くに限るわ、まずい…………」

七代は、本当にまずそうな顔をしている。

「…………それ、確か美術室に置いてあるとか言ってたやつか?食パン」
「そう。
 俺も詳しくは知らんけど、絵を描く時に消しゴム代わりに使ったりする事がある?
 らしいよ…………
 食べる為に用意してるんじゃねえから、まあうまくねえのも仕方無いけどさ」
「…………それ盗って勝手に食って文句言ってんのかよお前は」
「仕方無いだろ、金が無いんだから」

壇もよくは知らないのだが、所属する組織からこの任務遂行にあたっての現金の支給が全く無いらしく。
七代はたびたびその事へ呪詛の言葉を呟いているのだ。

「…………ああー…………、
 ……そうだったな、ええっと……俺も大した事はしてやれねえが……
 とりあえず、烏龍茶で良かったら俺のそれ、飲んでいいぜ。
 残り全部やるから」
「ありがとう」

ペットボトルを壇から受け取り、七代は力の無い笑みを浮かべた。
壇は何だかいたたまれなくなってしまった。
七代の為に己が出来る事は何だろうと真剣に壇が考え始めたところで、七代は施された茶でパンを流し込み終えた。

「お前、次は何食ってんだ、飴?」
「たこやき飴、何個かあるからいる?不思議な事にこれが案外うまいんだよな」
「……いや、貴重な食料だろ、お前が食え」
「そう?」

先日は、かのカレー屋でとんでもないメニューを即決し、妙な顔色をしながらも完食していたと、壇は思い出した。
この男の味覚は一体どうなっているのだろう。
資金が無いという現状を考えると、味覚などというものは鋭くない方が好都合なのだろうけれど。

ふと、何の気無しに七代の横顔を眺めた。
壇よりも線の細い輪郭。
聞いた話によると騒いでいる女子生徒が居るらしいので、壇にはあまりよく判らないがに端正な顔立ちという部類に入るのだろう。
その中に、あの強さが内包されている。
暗い地下の洞で札を投げ、竹刀を振って(そう、竹刀だ)異形を殲滅する七代の姿が壇の脳裏に蘇った。
ちり、と。
壇の中の残滓が爆ぜる。

「…………七代、お前、飯食う為に、わざわざこんなとこまで来たのか?」

壇が訊ねると、七代はうんと伸びをしてから、壇の方へ倒れ込んだ。

「!お、おい、七代」
「…………お前、五限目出る?出ない?出ないよな?」
「な、何だよ」
「もう、ほんっと、眠くてさあ…………
 出ないなら申し訳無いんですけど、しばらく俺の枕になって欲しいわけ」
「ま…………まくらだと?」
「うん………ちょっと重いと思うけど、頼む」

壇の返答を待たず、七代の瞼は既に重みに敗北しつつある。

「お、……おいっ、七代、本気か?」

狼狽する壇の声音を七代は欠片も気にしていない。
この男は最初から壇を枕にして眠ろうと、此処へやってきたという事なのだろうか。

「だめ?ほんと眠いんだけど」

決して図体の小さくない男が子供のように眼をこすっている。

「だ、駄目に決まってんだろ!
 こんな寒いとこで寝てどうすんだ?風邪ひくだろうが!
 大体、此処コンクリートだぞ下、起きたら身体がばきばきになっちまうだろ!」

七代は。
緩く瞬きをして壇の顔を見詰めた。
そっちかよ、と呟き。
呟いた後、壇の肩に圧し掛からせていた頭を、壇の腿の上へ移動させた。

「う、硬……
 けど高さはなんか丁度いいな」
「七代!お前、話聞いてんのか!」
「きーてる……お前を枕にしてオッケ、て話だろ?」
「聞けよ!」

言うものの。
七代が本当に疲労しているのだという事は壇にもよく判る。
だからこそ、こんな寒いコンクリートの上でなく、せめて保健室で眠って欲しいのだが。
既に半分眠っているこの男を保健室まで担いでいくのは可能だろうかと壇は考えてみる。
何とか可能かも知れないが、穂坂弥紀らに何事かと無用の心配をかける事になりそうだと思い至り、壇は断念する事にした。
制服の上着をかけてやるにしても、自分もそれを脱いでしまうと半袖でしばらく七代の睡眠に付き合わなければならなくなる。
寒さを我慢する自信はあるのだが、もし自分が風邪をひいたりなどしてしまえば、地下へ赴く七代の傍でこの男を護る事が出来なくなってしまう。
それは壇にとって致命的な事である。

「はあ…………」

腿に七代の頭を乗せたまま、弱り切った壇は頭をむしゃくしゃと掻いた。

「なに、こまってんの?」

七代はもう眼を閉じている。

「お前を保健室まで担いでって寝かすか、今此処で上着を貸すか、考えてんだよ」

元凶の呑気な言葉に壇がやけくそになって思案していた内容をぶちまけると、七代が途端に笑い出した。

「お、お前が笑うな!」
「壇はほんとに、まじめだなあ…………」

壇を真面目だなどと評するのは七代くらいだろう。
七代からの評価に呆れて、壇が応酬する。

「…………いきなり押し付けられた馬鹿デカイ任務を
 こつこつこなそうとしてるやつに言われたくねえよ」

嘆息混じりにそう言うと、寝返りを打ちながら七代はけろりと言い放った。
 
「別に俺は、世のため人のため、って札集め頑張ってるわけじゃねえよ。
 まあ今は手の届く範囲を護ろうって気持ちは、あるけどな」
「は?」
「俺はそんなすばらしい人間じゃないって」

壇や穂坂弥紀、壇の後輩を救った男はそう言って微笑んだ。

「白が聞いたら怒り狂うかな?」
「…………なら、お前は何の為に、戦ってるんだ?」

その理由がどうあれ、壇はこの男に救われたし、得た力をこの男を護る為に使う事に変わりは無い。
けれど。知りたかった。
壇が訊ねると、七代はうっすらと瞼を開いて何かを呟いた。

「、何?」

問い返す壇から意識を遠く投げるような眼をして、七代はその名を繰り返す。

「ちあきに、会いたいんだ」

ちあき?

壇には聞き覚えの無いそのちあきという名は、七代にとって、余程大事らしかった。
胸の中に仕舞い込むようにして七代は再び眼を閉じる。

「札、集めてりゃ、会えるって言うから。
 あいつを、ほっとけない。
 あんな、泣きそうな顔してたのに」

何と言って良いのか言葉が出て来ず。
壇の指が七代の意識へ割り込むように、髪に触れていた。
さらりと冷たい感触は妙に心地良い。
七代の腕が持ち上がって壇の顎に少し触れ、それからまたコンクリートの上へ落ちる。

「悪いなあ、壇、しばらく付き合わせて」

昼寝の事を言っているのか、それとも別のものに対しての事なのか。
七代はほんの少しだけ微笑んだまま壇に詫びた。

「………………………………、いいよ、疲れてんだろ、寝ろ。寒いけど。
 俺も、どうせ次、出ねえから」

昼寝である事にして。
七代の頭を軽くはたいた。

「うーん…………惜しいなあ…………
 俺がこういう時、おんなのこだったらなあ…………
 せめて、眠ってる間くらいは好きにしていいのよ?って言えんだけど…………
 お前に対する礼が思いつかないなあ。
 お前がおんなのこでなくても構わないんなら、いいけど…………どうかなあ?」
「きもちわるい事を言ってねえで早く寝ろ」
「はあい」

七代は笑って、身をまるくする。
それからすぐに、深い寝息が聞こえてきた。



冷えた風に晒される七代の黒い髪に、壇はもう一度触れる。

七代の言葉によって波紋の起きた己の胸中を、じっと見遣った。
波紋は思いのほか広く。
七代が眠りに落ちた今でも、収まる気配が無い。

「…………」

波紋が、何故起きたのか、壇には判らない。
七代の口から零れたどの言葉が壇を揺らしたのかも。

「七代」

名を呼んでみた。
眠りに身を浸す七代からの声は壇に返らない。

「…………悩むのは、性に合わねえな」

己の中に潜む正体の見えぬ何かから強引に眼を逸らし、思考を切り上げて。

壇燈治はとりあえず、せめて今、己の足の上に横たわる男の眠りを守ってやろうとだけ、考えた。














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ほら、クエスト知らずに貧乏生活送ってたので。うちの。
拾ったものだけで学生生活!とかいう伝説作りですかと言いたい。

壇の気遣いがもうオカンレベルな気がしています。


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